アジャイル開発の進め方を4ステップで解説!手法や必要な資格についても紹介

2024年9月20日 by
アジャイル開発の進め方を4ステップで解説!手法や必要な資格についても紹介
daichi.ito

「アジャイル開発を導入したいけど、具体的にどう進めたらいいの?」このような悩みを抱えているIT企業のプロジェクトマネージャーや、開発チームリーダーの方もいるのではないでしょうか?

そこで本記事ではアジャイル開発の進め方や、アジャイル開発の手法などについて解説します。開発に携わるエンジニアが持っておくと良い資格についても触れるため、アジャイル開発の導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。


アジャイル開発の進め方

アジャイル開発の進め方は、以下の3ステップが基本です。

  1. 要件定義とリリース計画の策定
  2. プロダクトバックログの作成
  3. イテレーションの繰り返し

それぞれのステップについて、詳しく解説します。


要件定義とリリース計画の策定

従来のウォーターフォールのように、アジャイル開発においても要件定義とリリース計画の策定が必要です。

要件定義とリリース計画の策定においては、以下の要素を取り込むことが重要です。

  • プロジェクトのゴール設定
  • ユーザーストーリーの作成
  • イテレーションの期間

アジャイル開発はシステム要件が変わりやすいため、初期の段階で要件定義を明確に設定せず、進行する過程で個々の機能ごとに調整します。

抽象化した計画を立てておくことで、進行中の仕様変更やフィードバックに対して臨機応変に対応が可能です。


プロダクトバックログの作成

プロダクトバックログとは、作成する製品やプロジェクトに必要なアイテムや改善点を記載したリストです。

プロダクトバックログに含まれる要素は以下のとおりです。

  • 機能の改善
  • バグの修正
  • フィーチャー
  • 技術的負債
  • 知識獲得

アジャイル開発ではプロダクトバックログを作成し、目標達成に向けた作業の優先順位づけをおこないます。作業の進捗やフィードバックに応じて定期的に更新することが大切です。


イテレーションの繰り返し

イテレーションとは、アジャイル開発における「計画」「設計」「実装」「テスト」といったサイクルの反復プロセスを指します。

「スプリント」はスクラム開発における工程で使用されるものであり、定義上はイテレーションと大きな相違はありません。

イテレーションの実施は以下のポイントを踏まえておくと成功しやすくなります。

  • 期間を設定する
  • 定期的な振り返りを入念にする
  • なるべく自動化する

数週間程度の短いスパンでイテレーションを反復することで、仕様変更や顧客ニーズへの迅速な対応が可能です。


アジャイル開発の手法一覧

アジャイル開発の代表的な手法として、以下の5つが挙げられます。

  • スクラム
  • カンバン
  • XP(エクストリームプログラミング)
  • FDD(ユーザー機能駆動開発)
  • LSD(リーンソフトウェア開発)

開発の進め方や状況によって向いている手法は異なるため、適した手法を選択することが大切です。

具体的には、開発チームの規模や重視したい要素に応じて選ぶと良いでしょう。

それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで複数の手法を組み合わせると、より高品質なシステム開発ができます。

アジャイル開発の手法については「アジャイル開発の種類を5つの手法に分けて紹介!選ぶ際のポイントも解説」で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。


アジャイル開発の手法であるスクラムについて

スクラムはアジャイル開発のフレームワークのひとつで、チームが小さな作業単位(スプリント)を繰り返しながらプロジェクトを進める手法です。

通常は1〜4週間の短いサイクルで開発をおこない、その都度成果物をレビューして改善を図ります。

頻繁にフィードバックを行うため、仕様の変更に対応しやすい、作業を効率化しやすいといったメリットがあります。

一方で、チーム間のコミュニケーション次第ではクオリティの低下につながるおそれがある点に注意が必要です。

アジャイル開発におけるスクラムについて詳しく知りたい方は「アジャイル開発にけるスクラムとは?基礎知識から他手法との違いを解説」をご覧ください。


アジャイル開発のメリット

アジャイル開発のメリットは以下の3点です。

  • 柔軟な対応が可能で変更に強い
  • 開発サイクルが短く、早期に成果を確認できる

それぞれのメリットを解説します。

また、「アジャイル開発のメリットとは?変化に強い開発手法は」ではアジャイル開発のメリットについてさらに詳しく説明しているため、ぜひご覧ください。


柔軟な対応が可能で変更に強い

アジャイル開発では、短い期間で開発〜実装まで行い、その工程を繰り返すため、仕様の変更に応じた柔軟な対応が可能です。

従来のウォーターフォール型は、開発途中での変更に柔軟に対応することが難しく、開発後半で仕様変更があった場合、コスト増大や納期の大幅な延期が必要となる可能性があります。

しかし、アジャイル開発であれば、早い段階で仕様変更や不具合の修正に対応できます。


開発サイクルが短く、早期に成果を確認できる

短い周期でイテレーションを繰り返すことで、成果物を早期に確認し、フィードバックを反映しやすい点もメリットです。

ユーザーからの要望や要件・仕様の不備、チームの方向性の相違といった問題点に早い段階で気付くことで手戻りの防止にもつながります。

優先度が高い機能やユーザーのニーズをいち早く組み込めるため、ユーザビリティも向上しやすいでしょう。


アジャイル開発のデメリット

アジャイル開発のデメリットは以下の2点です。

  • スコープの不確定要素が多くなりがち
  • 経験やスキルが不足していると進行が難しい

各デメリットについて詳しく解説します。


スコープの不確定要素が多くなりがち

アジャイル開発では要件が柔軟に変わるため、プロジェクトのスコープが曖昧になりやすく、計画の見通しが立てづらくなることもあります。

仕様変更に柔軟に対応できる反面、頻繁に変更依頼があることで当初の方向性がブレやすくなる点に注意が必要です。

開発にかける期間が短縮できるというメリットが失われ、スケジュールの調整が難しくなる可能性もあります。


経験やスキルが不足していると進行が難しい

アジャイル開発は仕様変更やフィードバックに対して迅速に対処しなければならないため、自律的なチーム運営が求められます。

経験やスキルセットが不足しているチームでは、次々に課せられるタスクに対応しきれず混乱が生じる可能性があります。

イテレーションをスムーズに進めるためにはチームワークが不可欠です。

個々の経験やスキルだけではなく、チーム間の連携がうまく取れていないとクオリティの低下にもつながります。


アジャイル開発におすすめの資格【エンジニア】

ここではエンジニア向けではありますが、アジャイル開発に役立つおすすめの資格を4つ紹介します。

  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報処理技術者試験
  • ITパスポート
  • プロジェクトマネージャ(PM)

アジャイル開発を実施するのに必要な資格はありませんが、取得しておくことでスキルの証明や知識の獲得につながります。

おすすめの資格について、それぞれ詳しく解説します。


基本情報技術者試験

基本情報技術者試験はエンジニアの登竜門といわれることも多い資格であり、国家資格である情報処理技術者試験の区分のひとつです。

基本的な知識やスキルを身に付けた人が、さらに実践的な知識を習得したい場合に受験するケースが多いです。

独学でも合格することは可能ですが、より確実性を高めたいのであれば通信講座やスクールの利用が効果的です。

認定団体

経済産業省

対象者

ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者

受験資格

なし

合格率

約47%

公式HP

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html


応用情報処理技術者試験 

応用情報処理技術者試験もIT系の国家資格であり、基本情報技術者試験よりもワンランク上の試験です。

実務経験を積んで実践的な知識やスキルを身に付けた人が、さらに高度なIT人材としてレベルアップする目的で受験するケースが多いです。

合格率は約23%で、受験者の多くが実践的な知識を有しているため難易度は比較的高いでしょう。

アジャイル開発のチームに携わることを目標にする場合は、合格しておくべき試験といえます。

認定団体

経済産業省

対象者

ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者

受験資格

なし

合格率

約23%

公式HP

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html


ITパスポート

ITパスポート試験も経済産業省による国家資格であり、情報処理技術者試験の区分のひとつです。

ITエンジニアとして基礎的な知識を保有していることの証明として最適な資格です。

試験はIRT方式により1,000点満点で採点し、総合得点60%以上かつ各分野別評価の30%を満たした場合に合格となります。

スキルレベル1とされており、IT系の資格のなかでも難易度が低いため挑戦しやすい試験といえるでしょう。

認定団体

経済産業省

対象者

職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者

受験資格

なし

合格率

約50%

公式HP

https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/


プロジェクトマネージャ(PM)試験

プロジェクトマネージャ試験はシステム関連の開発プロジェクトの責任者を対象とした試験で、IT業界の花形資格といわれています。

スキルレベル4と、情報処理技術者試験のなかでも最高難度の試験であるため、未経験者では合格はかなり難しいでしょう。

IT関連の専門知識以外にも、プロジェクトマネージャに必要な専門知識など幅広い知識が問われます。

アジャイル開発のプロジェクトリーダーを目指したい人は取得すべき資格といえるでしょう。

認定団体

経済産業省

対象者

システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を立案し、必要となる要員や資材を確保し、計画した予算・納期・品質の達成について責任をもってプロジェクトを管理・運営する者

受験資格

なし

合格率

約13%

公式HP

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html


まとめ

アジャイル開発の進め方として、要件定義とリリース計画の策定、プロダクトバックログの設定をざっくりとおこないます。開発の進行過程で、仕様変更に応じてイテレーションを繰り返すことで臨機応変に対応できます。

また、アジャイル開発はオフショア開発と組み合わせることで、コストを抑えて高品質な開発が可能となります。

RIKAI株式会社では、ベトナムを拠点としたオフショア開発を行っており、これまで500件以上の開発実績があります。

エンジニアは300人以上在籍しており、日本語対応で専門性の高いエンジニアに開発が依頼可能です。

アジャイル開発を検討している方は、ぜひRIAKI株式会社にお問い合わせください。

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